☆☆☆☆☆☆☆☆☆★(9点)
基本的に映画を観るまえはその映画の情報をできるだけ入れないようにしている(まったく観る気のなかった映画を、紹介記事やだれかのおすすめや予告などで観る気になることもあるけど)。この映画もジャケットと監督でレンタルしてきたようなものだが、観始めてすぐはフランス映画と思いこみ、登場人物たちが英語を喋っているから頭の中で修正していった。ここはフランスじゃない。ただほんの短い時間でもフランス映画と誤解させるだけの要素はあった。トリュフォーとかヌーヴェルヴァーグの映画に通ずるものがあって、その路線のフランス映画かと思ったからだ。実際、トリュフォー映画の音楽を多数手がけていたジョルジュ・ドルリューの楽曲が使われていた(あとで調べたところ)。そしてもちろんウディ・アレンを強く意識させられた。こういう系統の映画が好きな人にはたまらない映画だが、それよりも過去の名作のオマージュにみせながら、けっこう独自の映画を作りあげていることがすごかった。映像もセリフもセンスが抜群。タイトルすらきまってる。そしてニューヨークが美しい。