イタリアは呼んでいる 監督:マイケル・ウィンターボトム

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆★(9点)
2、3年まえにDVDでみた映画なのだが、「中年男ふたりがイタリアを旅するあれ、おもしろかったけど、タイトル忘れたなあ」という感じで折にふれて思いだしていた。今回レンタル屋で再発見し、すぐに借りてきた。カメラがまわってないところで役者はこういうこと喋ってそうだという雰囲気がよく出ており、ちょっと日本のテレビ番組「旅猿」に通じるものがある。東野幸治と岡村隆が撮りっぱなしのカメラのまえで、毒を交えてしゃべり続けながら旅をするバラエティーだ。東野と岡村もプロなのでカメラの前である以上、技術なのだろうけど、プライベート感はすごくある。それと近いものがこの映画にもあって、主演のスティーヴとロブもコメディアンで、ふたりとも本人役で出ている。イギリスでは人気のコメディアンらしく、会話も軽快だし、モノマネもレベルが高い。ロブのヒュー・グラントなんか顔まで似てるし、ウディー・アレンもそのままだ。あまり誇張してないところが秘訣かもしれない。アル・パチーノはたぶんロブが好きすぎて、やりすぎだが。それから、旅番組とはちがう、映画監督の手で編集されたイタリアの旅がほんとうに美しい。スティーヴとロブがどうでもいいような話を山のようにしていくうち、年をとることや家族のことなど、語られていく内容が深みをもってくるのが、それもちょうどいいくらいのスパイスだった。知らなかったが、続編の「スペインは呼んでいる」が2017年に公開されてたらしい。DVDを販売してくれたらいいのだけど。


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