ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール 監督:スチュアート・マードック

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10点)
スチュアート・マードックがフロントマンをしているロックバンド「ベル・アンド・セバスチャン」は昔から好きで、たぶんリリースされたCDはすべて聴いていると思うし、ライブDVDも持っている。ライブDVDにはPV(プロモーションビデオ)がたくさん入っていて、あそこにスチュアート・マードックの嗜好が詰まっていたのだと、今回この映画をみてわかった。「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」は映画だけども豪華なPVと呼んでもよさそうな作りで、ミュージカルというよりやっぱりPVだ。スチュアートは大学生の頃に慢性疲労症候群を発症し、7年ほど家にこもって音楽を作り続ける生活をしていた。ガーリーでおしゃれな主人公イヴ(拒食症で入院している病院ではピアノにむかって作曲している)はスチュアート自身なのだろう。ベル・アンド・セバスチャンの音楽スタイルやバンドのイメージから、スチュアートはフェミニンな印象だけど、インタビューによれば「退屈なほどストレート」なのだそうだ。それはともかく、この映画をみていると妙に懐かしく、10代くらいの頃の気持ちに返ったような感覚に陥る。そして僕の大好きなヌーヴェルヴァーグの映画を感じさせるところもあって、ところどころ幸福で鳥肌が立ったくらいだ。ところでイヴの親友となるジェームズ(オリー・アレクサンダー)は、ジブリの「魔女の宅急便」のトンボが成人した姿みたいにみえ、出てきた瞬間に親近感がわいた。

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