ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 監督:スティーヴン・スピルバーグ

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☆☆☆☆☆☆☆☆★★(8点)

ベトナム戦争の頃のアメリカの新聞社の活気はすごいものがある。新聞がテレビとともにメディアの中心だったから当然だ。記者たちをみていると、たとえ政府が圧力をかけてきても聞かないだろうなという印象だが、当然のことながら、実際にはもちろん経営陣の決断がどうなのかにかかっている。しかも当時は経営者が大統領と懇意の仲だったり、政府の高官と友人同士だったりし、政府の意にそむく決断は相当難しかったにちがいない。はっきり言ってなぜそれができたのか不思議なくらいだ。キャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は社主になりたくてなったわけじゃない。父から経営を引き継いだ夫が自殺したからお鉢がまわってきただけなのだ。女性の社会進出が進んでおらず、まして経営者の女性などほとんどいなかった時代に、男にまじって会社をまわしていかなければならなかった。超人のように強い女性だったというわけではなく、会社もほかの役員たちが動かしており、キャサリンは自分の意見を言うこともできなかった。そんなごく普通の女性がメディアと国家の戦いに巻きこまれていく。記者たちの血気にはやった行動や興奮状態とは別のところで、キャサリンの人生を賭けた静かな戦いぶりが感動的だった。

 

 


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