☆☆☆☆☆☆☆★★★(7点)
植物嫌いの主人公ベラ・ブラウン(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)は、借りているアパートの庭を荒れ放題にしてしまい、管理人から一ヶ月以内に元に戻さないと退去してもらうと言われる。自分だけの力ではどうにもならず、隣に住む元造園家の老人アルフィー(トム・ウィルキンソン)に手伝ってもらいながら庭を作り直していくという話。ガーデ二ング本場のイギリスの庭は日本庭園とはだいぶ違う。植物をうっそうと茂らせ、花で色を添える。イギリスでも日本でも、ガーデニングの肝はいかに長い時間手をかけられるかだと思うが、日本ではそれが難しい理由がある。まず気候の問題があり、とくに最近は熱帯化していて、真夏など庭に長い時間いるとほんとに命に関わるし、植物の生長もおそろしく早い。そして蚊などの害虫が多い。イギリスのように植物を自然のままに茂らせると管理がとんでもなく大変になってしまう。いっそのことコンクリートで固めてしまうという家も日本では多いと思う。気候の違いを考慮せずにイギリスの庭に憧れても、実際には快適じゃないかもしれない。だから日本人が得意とするミニチュア的発想で、本来はある程度の敷地が必要なイギリス庭園を象徴的に再現したりする。それだと日本の住宅地がいまいち美しくならないなあと思いながら映画をみた。美しさを作りだすには、大変な努力がいると言えるみたいだ。