☆☆☆☆☆☆☆★★★(7点)
国際宇宙ステーションのクルーたちがサンプルを持ち帰った火星探査機を回収するところから映画がはじまる。サンプルを分析するとアメーバのような生物を発見する。このあとはドゥニ・ヴィルヌーヴの「メッセージ」のような、人知をこえた地球外生命体との交流が展開されるのだろうと思ったら、予想と方向性がちがっていた。この単細胞にしかみえない生命体は全身が脳と筋肉でできており、高度な知性と強靭な体の持ち主だということがわかってくる。そして成長のスピードがとんでもなく早く、クルーたちを捕食することによってさらに大きくなっていく。この映画はリドリー・スコットの「エイリアン」の路線だったのだ。いま思えば「エイリアン」の登場人物たちの襲われ方(死に方)は、エイリアン自体はおそましいけど、独創性という観点からいくと標準的だった。「ライフ」ではその点が多彩で、北野武「アウトレイジ」にも負けてない。殺されるシチュエーションの演技力で、俳優の力量がかならずしも測れるものではないけど、「ライフ」は俳優たちの演技に支えられた映画だと思った。ラストのどんでん返しは単なる凡ミスじゃないかと思わないでもなかったけど、とても心にひっかかる終わり方だったのは間違いない。
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