gifted/ギフテッド 監督:マーク・ウェブ

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☆☆☆☆☆☆☆★★★(7点)
マーク・ウェブの映画は「(500日)のサマー」をみたことがある。偉そうな言い方になるけど、なかなかよかった印象がある。でも次の「アメイジング・スパイダーマン」のシリーズはみなかった。見向きもしなかったと言ってもいいが、それは単にサム・ライミのスパイダーマンシリーズが好きだったから。サム・ライミとトビー・マグワイアのコンビ以外のスパイダーマンは考えられなかった。トム・ホランドの「スパイダーマン・ホームカミング」は一応みてみたけど。それはともかく、マーク・ウェブはスパイダーマンのような大作映画を2本撮ったあと、原点回帰としてこの映画を作ったらしい。ギフテッドとは、生まれつき天才的な才能をもっていること。マッケナ・グレイス演じるメアリー・アドラーという7歳の女の子がギフテッドで、彼女の自殺した母親の代わりに叔父のフランク(クリス・エヴァンス)に面倒をみてもらっている。映画が始まってすぐに予感がしたけど、天才ならではの苦労と、叔父と姪っ子の絆が脅かされる展開が待っていた。この話にぜったい欠かせない存在が、メアリーの祖母でフランクの母であるイヴリン(リンゼイ・ダンカン)だ。同じくギフテッドだったメアリーの母(イヴリンにとって娘)を数学のために束縛し、ふつうの幸せをとりあげて自殺に追いこんだというのに、孫に対して同じことをくり返そうとしている。イヴリン自身も数学者で、ミレニアム問題の解明という偉業に憑りつかれてると言っていい。そんな極端なイヴリンだが、平板な人物ではなく丁寧に描かれているので、彼女のことを根本的に間違ったひどいやつというふうにも思えなかった。そこがこの映画の命綱というか、最後に感動をもたらすことができる力になっていたと思う。

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