おかえり、ブルゴーニュへ 監督:セドリック・クラピッシュ

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☆☆☆☆☆☆☆☆★★(8点)
そろそろクラピッシュの新作をみたいと思っていたら、たまたまレンタルショップでこの映画をみつけ(新作といっても2018年公開)、すぐに手にとって借りてきた。クラピッシュは映画史に残るような名作を撮る監督ではないかもしれないが、中毒性があってこれまでの作品のいくつかをくり返しみている。DVDが絶版でみることができない映画も多くて、「家族の気分」がすごく好きだった記憶があるけどもう確認のしようがない。「家族の気分」に限らず、クラピッシュはいやな性格をした登場人物を描くのがすごくうまい。この性格はどうにも直らない、本人も必死なんだというのがよくわかり、ユーモアも効いてるので、そういう人物こそ魅力的にみえてくる。今作ではそこまでクセのある登場人物はいないが、3兄弟(男二人と女一人)の関係性や掛け合いが楽しい。フランスのぶどう農家の暮らしもたっぷりみられる。だだっ広いぶどう畑に囲まれたブルゴーニュの景色は、スマートフォンや最新の車は出てくるけど、何百年も変わってないんじゃないかと思うくらいのどかだった。1998年のエリック・ロメールの「恋の秋」もワイン作りをしている女性たちが主役で、ぶどう畑の豊かな自然に囲まれた映像がすばらしかった。というのを思い出し、「恋の秋」もひさしぶりにみたくなった。なんだかこの二本の映画が姉妹のように思えてくる。

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