☆☆☆☆☆☆☆★★★(7点)
ルーマニアの実話をもとにした、シュールなコメディー映画なのだが、現実的で暗くて淡々としていて、とっても変な映画という意味でコメディーには違いない。これをみる数日前にニコラス・ケイジの「ナショナル・トレジャー」をみており、まずこの落差が個人的におもしろかった。かたや借金返済に奔走する失業者とその隣人のつつましい宝探し、かたやテンプル騎士団の財宝を追う冒険家の宝探し。後者ではその過程でアメリカ独立宣言書まで盗んでしまう。インディー・ジョーンズのようなアクションもある。よりによってそれをみた数日後にこの「トレジャー」をみたから、かえってよかった。おじさんたちが金属探知機の使い方でもめたり、穴をスコップで掘っても出てこないので喧嘩になったり、ふつうに警察に連れていかれたりし(国有財産であれば警察への報告の義務があるため)、スペクタクルな宝探しとは無縁なのが地味に笑える。そしてラストが意外で、これまた地味にどんでん返しがある。邦題のサブタイトルはここからきてるのだろうけど、さすがにちょっとあんまりだと思う。原題どおり、「トレジャー」だけでいい。