☆☆☆☆☆☆☆★★★(7点)
愉快犯による誘拐・猟奇殺人を捜査する私立探偵の話。リーアム・ニーソンやドウェイン・ジョンソンや、ほかにはブルース・ウィリスあたりはセガール的な映画が多く(スティーヴン・セガールのことで、要するに無敵)、敵役が相当に不愉快であることが重要になる。そうでもなければ、終盤にむかうにつれて下り坂を転げ落ちるように追いこまれていく敵役を応援してしまう。たとえば「ダイ・ハード」シリーズでは、途中からあわれな敵役を応援してしまい、当然最後はこてんぱんにやられるのでもやもやが残る。そういう点でいえば、この映画にそんな余地はなかった。誘拐犯たちはかなり不愉快な連中で、完全に狂っていた。それに今回のリーアム・ニーソンはアルコールとトラウマという問題を抱えており、映画の主眼はそちらにあるのだろう。それにしても銃の問題は理解しがたい。銃社会とは無縁の社会で生きていると、あまりに現実離れしている。