10 クローバーフィールド・レーン 監督:ダン・トラクテンバーグ

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☆☆☆☆☆☆☆★★★(7点)
この映画は観るまえに何の情報も頭に入れておかないほうが楽しめると思う。そもそもサスペンスはどれもそうかもしれないが、この映画の意外性を事前に知るのはもったいない。前半は人間の怖さが描かれ、後半はいきなりというか有言実行とも言うべきか、ストレートにSFに突入する。密室における会話劇が、後半になってスケールがばかでかくなる。こういうまったく様相の異なる話をシームレスにつなげるのは、制作のJ・J・エイブラムスが得意とするものかもしれない。たとえばタイトルが似ている「クローバーフィールド/HAKAISHA」では、ホームビデオという小道具をうまく使い、ごく普通の日常に突然モンスターが現れるというはちゃめちゃな展開にそれなりの説得力を与えていた。自然災害や戦争やテロなど日常を一変させるもののリストに、新たにモンスターが加わったというような感じだ。「10 クローバーフィールド・レーン」の世界もそういうことなのだが、人間も怖く描かれているので、主人公ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)の災難はやむことがない。恐怖の人間を退治できれば終わりのはずが、もっととんでもない悪夢が始まるという具合だ。それにしても防護服をありあわせの材料で作ってしまうのは、ミシェルが服飾デザイナー志望とはいえ、なかなかできるものではないと思うが、妙にかっこよかったから問題ない。即席の近未来スタイルという感じで、その格好で戦うミシェルはけっこう画になっていた。

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