☆☆☆☆☆☆☆☆★★(8点)
原作は日本の漫画「銃夢」で、脚本がジェームズ・キャメロン。キャメロンとロバート・ロドリゲスという組み合わせが意外な感じがしたが、ロドリゲスの容赦ない描写がキャメロン風の大作映画のいいスパイスになっていた。主人公アリータの目が不自然に大きいのは日本の漫画へのオマージュなのだろうと思った。宇宙人のような顔にもみえ、正直言って最後まで慣れなかったけど、アリータというサイボーグの個性だと思えば、今後シリーズ化されそうでもあるから、一目で彼女だとわかる外見は結果よかったのだと思う。ところで劇中にモーターボールという競技が出てくるのだが、それほど目新しいものでもなかったので、どちらかというとハンター・ウォリアーという存在のほうを掘りさげてほしかった。犯罪者を始末する賞金稼ぎで、獲物の横取りは厳禁などわりと厳格なルールのもとに運営されており、「アリータ」の世界観を表現するのにうってつけだと思ったが、出番が少なくてチンピラのような連中というイメージで終わってしまっていた(原作ではどうなっているのか気になるところ)。アリータはジェームズ・キャメロンが描くことが多い、強い女性が主人公の映画だ。通常のヒーロー映画とは男女の立場が完全に逆転している。最近はそういう映画も増えてきたけど、アリータのような妥協のない強さ(心身ともに)の描き方は年季が入っており、なかなか真似のできない見どころとなっていた。