ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ 監督:ステファノ・ソリマ

☆☆☆☆☆☆☆☆★★(8点)
ドゥニ・ヴィルヌーヴ「ボーダー・ライン」の続編。監督は別の人となったが、脚本は前作とおなじテイラー・シェリダン。前作で主人公を演じたエミリー・ブラントが出ないし、内容も麻薬カルテルの話からそれていくので、別の映画と言っていいかもしれない。ベニチオ・デル・トロ主演の作品として「チェ 28歳の革命 / 39歳 別れの手紙」の2部作があるが、「ボーダー・ライン」も1作目で成功物語が描かれ(あれを成功と言っていいかは置いとくとして、少なくとも向かうところ敵なしだった)、2作目で手ひどい目に遭って落ちていく。続編ものの宿命のようでもある。ただ「ボーダー・ライン」は3作目が予定されているようだから、次はどうなるのかわからない。今作ではメキシコの麻薬カルテルの圧巻の恐ろしさは描かれず、むしろアメリカ側の冷酷かつ圧倒的な実行力を描いていた。口を割らせる拷問の手段として、衛星からの画像をみせて家族の住宅への空爆をちらつかせ、あっさり実行してみせるとか、さすがに現実ではそこまでしないだろうと思いたいが、そう思いきれないリアルさがある。ヒロイックなアメリカというイメージは、いつのまにやら廃れ、世界の多くの人がもはやそんなイメージを信じてない。とはいえ、こういう映画を作るのもアメリカなのだから、そういうところはやっぱりすごい。アメリカを敵にまわしたら絶望的、デル・トロ演じるアレハンドロの命からがらの放浪をみながら素直にそう思った。


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