☆☆☆☆☆☆☆☆★★(8点)
「アンブレイカブル」(2000年)と「スプリット」(2016年)に続く三部作の完結編。今回はタイトルからして(原タイトルは「Glass」)、ミスター・ガラスのあだ名をもつイライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)がとくに重要なのだろうと思いながらみた。スーパーヒーローものなのだが、アベンジャーズのマーベルや、バットマンやスーパーマンのDCコミックスとは一線を画している。まったく無関係ではないのだけど、スーパーヒーロー論のような観点からの関わり方だ。ノンフィクションもののスーパーヒーロー映画というような雰囲気もある。「あなたはスーパーヒーローを信じますか?」と生まじめに問いかけているような感じだ。いつからか日本でもよく耳にするようになったヴィラン(悪役)という言葉、ヒーローとセットということでこの映画でもすごく重要に扱われていた。双方にとってどちらが欠けても成り立たないといった存在で、とりわけ「ミスター・ガラス」ではこのことが象徴的に示されたりもする。デヴィッド(ブルース・ウィリス)とケビン(ジェームズ・マカヴォイ)がそうした関係で、大いに暴れ、活躍するのだけど、やはりこの映画はタイトル通りイライジャが最重要人物だった。シャマラン流のどんでん返し、というか最後にホームランを打つようなやり方は健在で、でもそれはそれとして、何か不思議な感慨をもたらす映画だった。