オール・ユー・ニード・イズ・キル 監督:ダグ・リーマン

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☆☆☆☆☆☆☆☆★★(8点)
CGの技術はどんどん発達してるようだが、CGに頼りすぎると嘘くさくなってしまう。そういう嘘臭さはあまり気にしないほうだけど、うまくCGを活用できている本作のような映画をみると、その大切さがよくわかる。戦闘シーンは「プライベート・ライアン」を意識したというし(飛行船からじわじわと恐怖をあおり、突然の攻撃をうけて戦場の場面に急展開するところなど影響を感じさせる)、ロボットみたいなスーツは実際に作り(重量は35キロくらいだそう)、役者は本当にそれを着て演じたらしい。とくにトム・クルーズの動きは並外れており、重量を聞かされるとあらためて感心する。楽をしないで作ったぶんは必ず画面にもあらわれると思った。映像表現が発達してるからこそ、現代の客は目がこえており、いかに本物らしさをアピールするかは難しい。人間に対する深い洞察も必要だろう。こういうとき人間はこうは動かないとか、こういう心の動きはしないとか、そのあたりは大作映画ほどおざなりになりがちだ。この映画は間違いなく大作映画だけど、けっこう細心の注意が払われてるほうだと思う。それに、日本の小説が原作ということから、一風変わったハリウッド映画になっていた。時間のループ、ロボットスーツによる多彩なアクション、戦争シーン、ヒーローの成長物語(失敗を半永久的にくりかえす)とこれだけ詰めこみながら、2時間内(113分)におさめ、きれいに完結させたところがあきれるくらい見事だ。


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