☆☆☆☆☆☆☆★★★(7点)
およそヒーローらしくない男の活躍ぶりがこの映画のおもしろい点だと思う。前作「アントマン」もみたが、自分でも驚くほどなんにも覚えてなかった。主役のポール・ラッドの印象が薄くて、ほかの映画に出ていてもしばらく気づかないかもしれない。ただこの人は脚本を書ける才能も持ってるようで、「アメリ」のマチュー・カソヴィッツ(俳優、監督、脚本家)に似てる気がする(マチュー・カソヴィッツも印象が薄い)。そして今作ではワスプ役のエヴァンジェリン・リリーが華やかなアクションで目立ち、ますます影が薄くなっていた。凡人が最先端の科学の力を借りて戦うとどんなありさまになるかというのが、この一風変わったヒーロー映画の見どころで、自分も含めてたぶん多くの人がこちらの範疇に入るのではないかと思う(受け身で常識的で、それほど勇気や大胆さを持ちあわせてない)。「アイアムアヒーロー」や「いぬやしき」の佐藤信介のヒーローものもこちらの路線だが、ヒーロー願望というのはおそらくかなり多くの人が持っているものではないかと思うので、これからもこういう映画はちょくちょく作られそうだ。およそヒーローらしくない人間がヒーローになる、あるいは英雄的な行動を起こすというのは、まだまだ物語として使いでがありそうだ。
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